米中、対北朝鮮で協力 両首脳「深刻な段階」


トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は7日午後(日本時間8日未明)、フロリダ州にあるトランプ氏の別荘「マール・ア・ラーゴ」での2日間にわたる初の会談を終えた。

北朝鮮の核計画の放棄に向けて協力を強化することで一致。両首脳は、米中貿易不均衡問題を一定期間内に是正することを目指す「100日計画」の策定で合意した。 

会談後、ティラーソン米国務長官、ムニューシン財務長官らが明らかにした。米側の説明によると、習氏はトランプ氏に対し、米軍によるシリアのアサド政権への攻撃に理解を示した。  

北朝鮮問題では、両首脳は会談で核・ミサイル計画が極めて「深刻な段階」に入ったとの認識を共有。トランプ氏は習氏に「中国が我々とともに行動しないのなら、米国は単独で対応する用意がある」との意向を伝え、北朝鮮への制裁強化を求めた。ただ、この問題で具体的な項目の合意はなかった。  貿易不均衡を巡っては、トランプ氏は会談で中国の産業やサイバー政策が米国の雇用や輸出に与えている影響に深刻な懸念を表明。そのうえで、習氏に具体的な措置をとる必要性を強調した。  中国国営新華社によると習氏は「中米はお互いに最大の貿易相手国であり、両国民はそこから大きな利益を得ている」と反論。「中国の内需は絶えず拡大しており、中米の経済・貿易協力の前途は明るい」とも述べ、米国商品の今後の輸入拡大を示唆した。トランプ政権が重視するインフラ投資の推進には、中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」への参加を呼びかけた。  

7日の首脳会談に先立ち、ムニューシン氏、ロス商務長官と中国の汪洋副首相が米国の対中貿易赤字の是正策を協議。ロス氏は記者団に「最も重要なのは100日計画だ。中国への輸出を増やし、貿易赤字を減らす」と語った。  トランプ氏は、中国が進出を活発化している南シナ海、東シナ海での国際規範の順守の重要性を指摘。人権問題の重要性にも言及した。両首脳は外交・安全保障や経済など4分野で新たに高官級の対話の枠組みを設けることを決めた。軍同士の衝突回避や信頼構築に向けて、米軍と中国人民解放軍の統合参謀本部による対話の枠組みも新設する方針だ。  

トランプ氏は会談で「我々は多くの問題を解決することができる」と強調。習氏は「友好関係を安定的に発展させていきたい」と表明した。両首脳は相互尊重を基礎に違いをコントロールし、協力する分野を広げることで合意した。  両首脳は7日午前の会談を終えると、別荘内を2人で散策した。昼食会でも議論を続け、会談を終了した。同日午後、習氏は帰国の途に就いた。

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