ロンドンテロ 過激派の指示なし、過去の手口まねる


ロンドン警視庁は27日、同市中心部の国会議事堂周辺で起きたテロ事件について、現場で射殺されたカリド・マスード容疑者が過激派から指示を受けていたわけではないとの見解を示した。 警視庁幹部が語ったところによると、マスード容疑者の犯行は過去のテロ事件をまねた低水準、低コストの手口だった。 同幹部は、警官や民間人を狙った攻撃の方法には過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」指導者らの発言が反映されていると指摘。そのうえで、ISISや国際テロ組織アルカイダから直接の指示はなかったとの見方を示し、「容疑者がこの件についてだれかと相談した形跡は見つかっていない」と述べた。 マスード容疑者はイングランド南東部ケント州で生まれ、「エイドリアン・ラッセル・アジャオ」と名付けられた。その後いくつもの偽名を使い、複数の暴力事件などで有罪となったが、テロの罪に問われたことはなかった。 容疑者の母、ジャネット・アジャオさんは27日に発表した談話で、事件が息子の犯行だったと知ってから犠牲者のために「たくさんの涙を流してきた」と語り、「私は息子の行動を許さない。犯行につながった息子の信仰も支持しない」と明言した。 事件で死亡した4人の中には、米国人男性も含まれていた。結婚25周年を記念して、妻とロンドンを訪れていたという。妻は脚の骨やろっ骨を折るなどのけがを負ったが、命に別条はないとされる。

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